ポリオプラス委員会より

ポリオプラスニュース 2025年6月号

2510地区ポリオプラス委員会

 

野生株によるポリオ症例数

*2025年6月10日現在(前月比)

ポリオ 2025年
(1月1日~6月10日)
2024年 2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
常在国 パキスタン 11(+3) 73 6 20 1 84 147
アフガニスタン 2(±0) 25 6 2 4 56 29
非常在国 モザンビーク 0 0 0 8 0 0 0
マラウイ 0 0 0 0 1 0 0
世界合計 13(+3) 98 12 30 6 140 176
2025年6月10日現在、野生株による新規発症例はパキスタン+3名増加、アフガニスタンは増加を認めませんでした。*現在、ポリオ常在国はアフガニスタンとパキスタンの2国のみです。

【パキスタンの予防接種の最前線で闘う「隠れた部隊」】(財団ニュースから)
-40万人を超えるポリオ根絶ワーカーたちを支える仕組みとは- 執筆者Etelka Lehoczky


 
「コミュニティヘルスワーカー」という言葉に耳慣れない人は多いでしょう。ましてや、実際に会ったことのある人は少ないはず。しかし、世界の医療システムにおけるその役割(多くはボランティア)の重要性は、ますます高まっています。特にポリオ根絶や疾病予防など、ロータリーの保健の取り組みには欠かせない存在となっています。コミュニティヘルスワーカーの多くは、地域社会と強いつながりを持つ女性たちです。これらの女性ワーカーは、困難な環境に暮らす人びとに手を差し伸べ、家々を訪問して基本的な医療サポートやアドバイスを提供します。多くの国では、ポリオ予防接種活動の主力メンバーでもあります。

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【ウイルスハンター】
-ジェンダーの壁や予防接種への抵抗などの課題と向き合い、サーベイランス(ウイルスの監視活動)に徹する一人の女性をご紹介します-執筆者 Ryan Hyland

パキスタン、パンジャブ州の世界保健機関(WHO)サーベイランスオフィスに勤務するウジャラ・ネイヤーさんは、ポリオのない世界というビジョンを抱いています。眠っているときにそのビジョンの実現を夢見ることもあるそうです。

 
彼女はふだん、保健員チームを率いてパンジャブ州を四方八方に動き回っています。ポリオウイルスによる発症の可能性が報告された現場に赴き、下水調査などを行って徹底的に調べるためです。パキスタンでは野生型ポリオウイルスによる発症が続いており、現在、そのような国はパキスタンを含め世界に2カ国あります。

課題はウイルスの監視活動だけではありません。ジェンダーに基づく壁に直面することもあり、この壁が発症数の確認作業と環境サンプル採取の妨げになることがあります。ネイヤーさん自身、家屋やセキュリティ・チェックポイントで男性からの抵抗にあうことがありますが、そのようなときは感受性をもってしっかりと主張して抵抗を乗り越えています。

「私はあまり上品ではないのです」と、ネイヤーさんは小さく笑います。「私たちに足止めされているような時間はありません。ポリオの撲滅は緊急を要することですから」

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【ドイツにおけるポリオ発生】
執筆者 Dr.Christian Schleuss、ハーゲン・ロータリークラブ2025年5月22日


 
2024年、ナイジェリア由来の変異型ポリオウイルス株が、ハンブルク、ベルリン、ミュンヘン、フランクフルト、シュトゥットガルト、ドレスデン、ケルン、デュッセルドルフ、ボンの下水サンプルから繰り返し検出されました。このウイルスは他のヨーロッパ諸国でも検出されました。ドイツでは、25歳未満の人は経口ポリオワクチン(OPV)の接種を受けておらず、代わりに不活化ポリオワクチン(IPV)の接種を受けています。その結果、これらの人々はポリオウイルスに感染して発症することはなくても、ワクチン未接種の子どもに感染するまでは、ポリオウイルスを伝染させる可能性があります。

ロベルト・コッホ研究所(RKI)の最新データによると、ドイツでは1歳児のわずか21%、2歳児の77%しかポリオの完全な予防効果が得られていません。流行の可能性は低いものの、ワクチン接種率の低い地域の子どもたちは深刻なリスクにさらされています。一部の専門家は既に状況をアウトブレイクと表現しています。そして、世界の状況もそれほど良くはありません。

米国とアルゼンチンは世界保健機関(WHO)からの脱退を計画しています。米国の保健機関は多くのNGOとの提携を終了し、国際保健プロジェクトを中止しています。ドイツは前回の予算案で開発援助を半減させており、新政権も資金を回復する見込みはありません。貧困国への医療援助と支援はもはや政治の優先事項ではないのです。しかし、そんなことは決してありません、私たちには責任があります 続きはこちら。

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【2025-26年度 日本の目標、世界の目標】
いよいよ新年度が近づいていきました。次年度の日本の目標および世界の目標は以下です。

         
日本 ■ポリオプラス基金 ・1人当たり30ドル

(1,500ドル以上の寄付をしたクラブには、感謝状が贈られます。)

・ポリオプラス・ソサエティの推進

(各地区50名増やす)

 
世界 ■ポリオプラス基金 ・1億3,500万ドル ・ポリオプラスへの繰入・上乗せ1,500万ドル 合計:1億5,000万ドル

 

引き続きポリオプラスの活動に、ご支援、ご協力お願いいたします。

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