ポリオプラス委員会より

ポリオプラスニュース2月号

2510地区ポリオプラス委員会

 

野生株によるポリオ症例数

*2023年1月24日現在

ポリオ 2023年1月1日~1月24日 2022年 2021年 2020年 2019年
常在国 パキスタン 0 20 1 84 147
アフガニスタン 0 2 4 56 29
非常在国 モザンビーク 8 0 0 0
マラウイ 0 1 0 0
世界合計 0 30 6 140 176

ポリオ撲滅情報 

 
2023年、新規発症確定例はありませんでした。
*現在、ポリオ常在国はアフガニスタンとパキスタンの2国のみです。

【パキスタンでのRotaryの活動について】
― パキスタンとナイジェリアでは、携帯電話を活用し、ポリオに対する素早い対応をする試みが続けられています ― 公衆衛生での最大の構想:ポリオの根絶!
 
 ポリオが世界的に減少し、3か国のごく少数の僻地でのみ流行しているため、ワクチンを届け、迅速かつ正確に情報を共有することは、医療従事者には重要な課題です。ロータリーと世界ポリオ撲滅イニシアチブ(GPEI)のパートナーは、パキスタンとナイジェリアの医療従事者に携帯電話を提供することで、連絡手段を強化しています。今回はパキスタンでの状況をお伝えします。
  
 パキスタンでは、ロータリーがポリオの予防接種データなど、母子の健康に関する従来の紙ベースの報告を、携帯電話や電子モニタリング技術に置き換える取り組みを行っています。パキスタン政府とロータリーとのパートナーシップを通じて、全国の地域医療従事者に 800台以上の電話が届けられました。パートナー企業はパキスタン国内第2位の電気通信プロバイダーであるTelenor社、そして、データの監視と評価の専門家であるEycon社(イスラマバードを拠点とする大手 ITコンサルティング会社)です。主催者は、2018年末までに合計 5,000台の携帯電話を配布しました。

 医療従事者はこの電話を使用して、テキストメッセージを中央サーバーにデータとして送信できます。ポリオを疑う患者を発見した場合、パキスタンの国家緊急オペレーション センターの職員に直ちに警告することができます。また、ワクチンを受けなかった子供や親が拒否した子供、予防接種ができた子供を記録することができます。パキスタンでは、ポリオ撲滅の取り組みが、国内の3,500万人の5歳未満の子供たちに届けられることを目指しています。その結果、当局が簡単に監視および評価できるリアルタイムの情報の収集が可能になると、世界保健機関の健康緊急プログラムの地域緊急責任者であるミシェル・ティエレン氏は述べています。
 
 「携帯電話技術は、ポリオ撲滅プログラムが大きく前進したことを示しています」さらに「私たちが収集するデータは、非常に詳細なレベルである必要があります。すぐに記録して転記できるリアルタイムの情報により、正確性と有効性を高めることができます。これにより、政府やポリオ撲滅の指導者は、ポリオを撲滅するために運用上および戦術上必要な決定を下す際に有利になります」とティエレン氏は言います。

<ポリオを超えて>
 医療従事者はまた、携帯電話を使用して、母子の健康に関するさまざまな要因を監視しています。ユニセフによると、パキスタンの幼児死亡率は世界で最も高く、出生1,000人あたり5歳未満で死亡する人は81人です。
 
 しかし、モバイルテクノロジーはこうした死亡を減らすのに役立つと、ロータリーのパキスタンポリオプラス委員会のプロジェクトマネージャーであるアッシャー・アリ氏は言います。「地域の助産師を含む医療従事者は、妊娠中の母親を追跡しています」「子供が生まれると、ポリオだけでなく、他のワクチンや基本的な健康管理と衛生のニーズについて、完全な健康記録を入力して維持することができます。」
また、マラリア、結核、インフルエンザ様疾患などの感染症や、子供の栄養失調や母体の健康問題を監視することもできます。「赤ちゃんや母親に問題がある場合は、政府の保健部門にすぐに情報を送信できるため、問題を迅速に解決し、戦略を調整することができます」とアリ氏は言います。
 
 携帯電話はまた、医療従事者がテキストメッセージで予約のリマインダーを送信できるため、家族とのフォローアップ訪問を容易にします。詳しくはこちらを

 ポリオプラスの活動に、これからもご支援、ご協力お願いいたします。
 

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