ミニ卓話10 職業奉仕委員長 大坪誠治
Mutual Aidと Service
いまのロータリーは、仲間との親睦を大切にしながら、地域や国際社会への奉仕に取り組んでいます。では、初期の仲間同士の助け合いとその後の活動は、何が違うのでしょうか?
その違いを考える鍵が、Mutual Aid(相互扶助)と Service(奉仕)です。相互扶助は「互いに支え合うこと」、奉仕は「その力を他者や社会のために生かすこと」と考えてみてください。
ただし、“Mutual Aid”は国際ロータリーの正式な言葉として採用はされていないことを先に記しておきます。
1905年にシカゴで生まれたロータリーも、はじめは職業の違う人たちが集まり、親睦を深めながら相互扶助をするところから始まりました。それが少しずつ、地域社会への奉仕へと広がっていったのです。
仲間との相互扶助をやめたのではなく、そこで育った信頼と協力を、もっと広い社会に向けていったわけです。
では、相互扶助を奉仕につなげるには、何が大切でしょうか?
私は三つあると思います。
一つ目は、助け合いの輪を広げることです。仲間うちでの結束は大切ですが、ときには、仲間以外の人を遠ざけてしまうこともあります。これまで接点のなかった人や地域にも目を向けることで、助け合いは奉仕になっていきます。
二つ目は、相手にとって本当に役立つことは何かを考えることです。よかれと思ってしたことが、相手の望みとずれていることもあります。「何かをしてあげた」という満足で終わらず、「本当に役に立ったか」を振り返る。それが奉仕の質を高めます。
三つ目は、奉仕する側にも価値が生まれるということです。奉仕は自己犠牲ではありません。自分の知識や経験を人のために生かすと、相手の役に立つだけでなく、自分も信頼や喜びや成長そして結果的に利益に結びつきます。
ロータリーには「超我の奉仕」と「最もよく奉仕する者、最も多く報いられる」というモットーがあります。一見反対のようですが、どちらも、人のために力を尽くすことが、結果として自分にも返ってくるという考え方だと思います。
仲間との助け合いを出発点に、その輪を社会へ広げ、相手の役に立ち、自分も成長する。そこに、Mutual AidとServiceのつながりと、ロータリーのServiceの意義があると思います。
Mutual Aidが「誰と支え合うか」を問うものなら、Serviceは「誰のために、どんな価値を生むか」を問うものです。そして、その二つをつなぐ土台が、ロータリーの例会であり親睦ではないでしょうか。
皆様はどう考えますか?
