ポリオプラス委員会より
ポリオプラスニュース 2025年3月号
野生株によるポリオ症例数
*2025年3月11日現在。
ポリオ | 国 | 2025年 (1月1日~2月4日) |
2024年 | 2023年 | 2022年 | 2021年 | 2020年 | 2019年 |
常在国 | パキスタン | 1 | 73 | 6 | 20 | 1 | 84 | 147 |
アフガニスタン | 1 | 25 | 6 | 2 | 4 | 56 | 29 | |
非常在国 | モザンビーク | 0 | 0 | 0 | 8 | 0 | 0 | 0 |
マラウイ | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | |
世界合計 | 2 | 98 | 12 | 30 | 6 | 140 | 176 |
*現在、ポリオ常在国はアフガニスタンとパキスタンの2国のみです。
【ポリオについての豆知識】
・「ポリオ」はエンテロウイルス属ポリオウイルスの感染による脊髄炎が原因で、四肢等の弛緩性麻痺を引き起こします。子供に感染することが多く、「小児麻痺」とも呼ばれます。
<ポリオウイルスは人から人へ感染します>
・ヒトにしか感染しないウイルスで、他の動物を介しての感染はありません。
・ポリオウイルスは、人の口から入って、咽頭や腸の中で増殖します。増えたポリオウイルスは、再び便中に排泄され、この便を介してさらに他の人に感染します。
・ウイルスは野生型1〜3型の3種類です。
<ポリオ根絶への歴史>
・1979年、ロータリークラブはフィリピンで6歳未満の子ども600万人にワクチンを接種 するプログラムを開始。
・1985年、ロータリークラブは「ポリオプラス(PolioPlus)」プログラムを発表し、世界中でワクチン接種を支援することを決定。当初の目標は1億2000万ドルの募金でしたが、実際には2億4700万ドルが集まりました。
・1988年、世界保健機関(WHO)の世界保健総会で、ユニセフ(UNICEF)、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、ロータリークラブなどが協力し、「世界ポリオ根絶推進計画(GPEI)」の設置が採択され、「ポリオ根絶」が世界の公衆衛生の目標となりました。当時、ポリオは125か国で流行し、年間35万人以上の子どもに麻痺が発生していました
・GPEIの成果で、2015年にポリオ野生株2型、2019年に野生株3型の根絶を宣言。
・2007年、ビル&メリンダ・ゲイツ財団がロータリークラブに対し1億ドルの寄付を発表。
これを受けて、ロータリークラブはさらに募金を行い、ポリオ撲滅のための資金の強化。
・2013年には、ゲイツ財団が「2倍マッチング寄付」(ロータリーの寄付1ドルにつきゲイツ財団が2ドル寄付)を開始。
・1988年には年間35万人のポリオ患者がいたが、2024年には100人未満に減少。125か国で流行していたが、現在はアフガニスタンとパキスタンの2か国のみに限定。
<今後の課題>
・パキスタンとアフガニスタンでは、一部地域でワクチン接種が困難。
・ワクチン由来の変異株(cVDPV)が発生し、追加の対策が求められる。
<今後の目標>
・2026年までに世界ポリオ根絶を達成(GPEIの目標)。
・残存する野生株ポリオウイルスの根絶。
・全世界でワクチン接種プログラムを強化。
<まとめ>
・ロータリークラブは、ポリオ撲滅運動のリーダーとして、40年以上にわたり20億人以上の子どもにワクチンを提供してきました。今も世界中でワクチン接種支援や資金調達を行い、「ポリオゼロ」の達成に向けて尽力しています。「End Polio Now」
【米国のWHO脱退意向に関するロータリーの声明】
ロータリーは、世界ポリオ根絶推進活動(GPEI)のパートナー団体である世界保健機関(WHO)から米国が脱退の意向を示しているという最近の発表を注視しています。
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【2023-24年度ポリオのない世界を目指す奉仕賞】
2023-24年度「ポリオのない世界を目指す奉仕賞」は、ポリオ根絶活動において多大な貢献をした会員に贈られる賞です。日本からも受賞者が選ばれました。受賞した71名のロータリー会員の貢献を称えましょう!
「2023-24 年度ポリオのない世界を目指す奉仕賞」受賞者
【2024年世界ポリオデーのハイライト】
今年の世界ポリオデーには、5,000以上のクラブが142カ国で約8,000のポリオ関連活動を実施し、マラソン、医療診断、有名建造物のイルミネーションなど、さまざまな活動を通じてポリオ根絶に対する献身と熱意を示しました。クラブの参加数は2023年よりも20%増加し、過去最高の記録となりました。特に第4455地区(ペルー)、4380地区(ベネズエラ)、4751地区(ブラジル)、4780地区(ブラジル)、4420地区(ブラジル)では、世界ポリオデーの活動を記録したクラブの割合が世界で最も高くなりました。 続きはこちら。
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