ロータリーの誕生と成長

 今から98年前、1905年当時のアメリカは経済恐慌で人心はすさみ、犯罪は巷にみちているというありさまでした。これを憂えたシカゴの一青年弁護士ポールP.ハリスは、よい社会をつくるためには、人の和を図り、世の中に奉仕する気持を多くの人が持つようになることが大切だと考え、ポール・ハリス自身それ以前数年間、想を練り、まず石炭商シルベスター・シール、鉱山技師ガスターバス・ローア、洋服商バイラム・ショーレーの3人の友人と語らい、2月23日、この理想をひろく人々に呼び
かけるための第1回の会合を持つに至りました。
 はじめ数カ月は非公式にブースター・クラブ(ブースターとは向上させるの意)と呼んでいましたが、さらに印刷業界のハリー・ラッグルズをはじめ、他の友人が加わってロータリー・クラブの誕生となりました。
 ロータリーとは、集会を順番に、会員が各自の事務所で持ち回って開くことから名付け.られました。
 この理想は着々と実現され、1908年こ2番目のクラブがサンフランシスコにつくられ、1910年には国内クラブ数16を数えるまでになり、さらに国境を越えてカナダ、英国へと国際的ひろがりをもって発展し、ここにロータリー国際連合会ができ、1922年には国際ロータリーと呼ばれることになったのです。
 こうして、このささやかな理想の芽生えは、1998年4月末現在159の国家にひろめられ、1997年12月末現在、地区数521、クラブ数28531、会員総数は1,193,376名になりました。