5月12日 アリングソース公立病院訪問

鈴木です。不定期投稿ですみません。

 

5月12日、アリングソースの公立病院を訪問しました。(病院ホームページ(※スウェーデン語表示です。) http://www.vgregion.se/al

院長(心臓血管の専門医)による病院の概要説明の後、メンバー全員で病院内を見学、救急、整形、泌尿器、放射線科を見て回り、それぞれ担当の方から説明をしていただきました。メンバーのみなさんも書いていますが、病院スタッフの数が多いことが特徴的でした。1回の平均診察時間は約20分とのことです。

昼食をはさんで午後からは同病院内で個別の研修、私はこの病院でとくに力を入れているという脳卒中や脳外傷(ストローク)患者さんのいる病棟に行き、Rebeccaさん(ストローク専門看護師、Storokeskoterska)にフロアーを案内していただき、説明を聞きました。

 

この病棟には14のベッドがあり2人もしくは1人部屋(写真)、入院患者の平均年齢は75歳、平均在院日数は11日(※1)、専門医は2人、看護師、リハビリスタッフ(理学療法士、言語聴覚士)が常時関わっているとのこと。入院直後から最低でも週1回、チームスタッフが患者に対する治療方針や退院もしくは他のゴールに向けての話し合いをおこなうとのこと。在院日数が短いのはその後の受け皿がしっかりと整備されているためだと思いました。

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<全ての病室にトイレ、シャワー設備がありました。>

 

印象的だったのは下記の2点、

①全てのストローク患者さんは国のストローク登録機関に個人の症状、治療方法、アフターケアなどが登録されるとのこと。必要とあれば閲覧可能であるが、もちろん個人が特定できるような部分は見ることができない。(このことはPUL law (Person Uppgifts Lagen)プライバシー保護法に規定されている。)

②北海道にも脳卒中の患者会があり、アリングソースにはあるかと聞くと、この地でも患者会活動は盛んとのこと。脳卒中や交通事故などによる脳外傷により入院する患者さん(またはご家族)は、入院当初は自分(家族)の身に起こったことを受け入れられずパニックになる方が多く、身近にいる看護師にありとあらゆる質問や憤りなどを訴えるとのこと。看護師も十分に対応はするが、そういったときに患者や家族の集まりの重要性を感じるとのこと。

私(鈴木)は医師ではないため患者さんを(医学的な意味での)治療し症状を改善することできない。患者さんや家族の話を聞き、必要とされる福祉サービスを伝えること抱えている重荷を少しでも軽くできればと思っていると、話のはずみで若干の無力さを訴えてしまったところ、彼女は穏やかに「この仕事をしていて思うことは、医師だけでは決してトータルに1人の患者、家族を支えることはできない、看護師やリハビリスタッフ、あなたようなソーシャルワーカーがチームとなって関わることが必要なのです。」と答えてくださった。レベッカさん、本当にありがとうございました。

 

I had very interested time!

Rebecca kindly showed me around and explained many things.

 

※1 追記(14日):平均で11日ですが、なかには退院のめどがたたない(継続した治療が必要など)ために長期で入院されている方もいるとのこと。

上限の日数はないとの話でした。驚きです。